国道58号
パート3

 

58号パート3です。
58号の奄美大島、沖縄本島区間走行の1年後、2016 年の年末がやってきました。また再び58号です。今回は未走行で残っていた種子島区間を走ります。種子島区間は、北部の西之表市(A)から始まり、南種子町まで南下した後、方向を北西に変え、西部の島間港(B)に至るまでの約 50 km です。

 

種子島には、飛行機、ジェットフォイル、フェリーで行くことができますが、私の場合クルマで行くため、手段は事実上フェリーの一択です。

2017 年1月現在、フェリーは コスモライン鹿商海運 の2種類があります。コスモラインは旅客運送、鹿商海運は基本的には貨物輸送ですが旅客運送もあり、というタイプのようです。

便数はどちらも一日1往復ですが、コスモラインは鹿児島 8:40 発の種子島 12:10 着。鹿商海運は鹿児島 18:00 発の種子島 21:40 着です。そこで今回は鹿商海運を使うことにします。

東京在住の私は1日目に東京から広島まで行き、2日目には広島から鹿児島まで行きます。夕方には鹿児島に着けるので、この 18:00 の便に乗れば、その日のうちに種子島に上陸することができます。すると次の日は朝から丸々1日使えます。(^_^)/

鹿商海運は乗船日の1ヶ月前から予約可能で、往復のチケットをその際に予約できます。支払いはカードが使えるので、鹿児島港にてカード払いです。車長 5 m 以下は往復で 30,900 円。

 

と言うわけでまず鹿児島までやってきました。鹿商海運のフェリー「はいびすかす」の乗り場は鹿児島港の 7ツ島発着場 にあります。この発着場は鹿児島市にある港のうちでも南の方にあり、鹿児島発の他のフェリーの発着場とは少し離れています。

事務所(切符売り場)は下の写真のような茶色っぽいプレハブ(?)的な建物で、鹿商海運はやはり貨物運送が主なんだろうことが感じられます。ちなみにその左の白い建物がトイレです。仮設トイレという雰囲気。トイレはあらかじめどこかで済ませておくか、フェリーに乗るまで我慢するのが良いでしょう。(^_^;)

 
フェリー・はいびすかす切符売り場
フェリー・はいびすかす切符売り場
     
 

今回乗る「はいびすかす」は右の写真のような船です。と言ってもこの写真じゃよくわからないかもしれませんね。

この日は出港まで時間も無かったのであまりウロウロせず、そそくさと船に乗り込みます。

左下の写真が車両甲板の様子で、フェリーに乗り込んだ後、坂を下って船倉に降りて行った先にクルマを止めます。

右下が客室の様子。高級感はありませんが (^_^)、種子島までは3時間半なので、まぁOKでしょう。

それよりこの船には売店の類がありません。カップラーメンの自販機が1つあるのみ。フェリーで晩飯を食べようと思っていた私は、しょうがないので、その自販機でカップラーメンを買って食べることに。
食べ物はあらかじめ買っておくのが良いでしょう。(^_^;)

はいびすかす
はいびすかす
 
車両甲板
車両甲板
客室
客室
     
 

種子島到着後はすぐにホテルへ。そして夜が明けて、58号種子島区間のスタートです。

スタート地点は西之表港北部です。西之表港では海沿いを県道581号が走っています。581号を進んできて、そこから分かれるように58号がスタートします。

下の写真では真ん中の道路が581号で、すぐ左が港です。58号は西之表市農協の手前(右の地図では A 地点)を右折してスタートです。

 
58号スタート
58号スタート
     
  農協の交差点からスタート地点を見た様子が次の写真です。スタート直後すぐに道なりに右折です。
 
スタート地点
スタート地点
     
  右折した先の様子はこんな感じで、西之表市の中心部を進みます。
 
スタート直後
スタート直後
     
  その後すぐに海沿い(東シナ海)に出て、しばらく種子島の西岸に沿って南下します。
 
海沿いを進む
海沿いを進む
     
  種子島の真ん中付近まで進むと、今度は島の内陸部へ進みます。後半はずっと内陸部です。
 
内陸部へ
内陸部へ
     
  種子島は、北部の西之表市、中部の中種子町、南部の南種子町で構成されています。南種子町に入るあたりに下のようなオブジェが設置してあります。丸い何かと何故かアメリカのスペースシャトルのようです。よく見ると、丸いところにはいくつか球体がくっついていて、どうやら太陽系を表しているっぽいですね。南種子町には JAXA の 種子島宇宙センター があり、このオブジェは宇宙開発の町を象徴しているようです。
 
南種子町
南種子町
     
  ここまで58号はずっと南下してきましたが、南種子町の中心部でその方向を変え、北西に向かいます。方向を変えるのは南種子町の中心部の上中交差点です。写真では奥にチラッと見えている信号の所ですね。
 
南種子町上中
南種子町上中
     
  先の上中交差点を右折したすぐ先に、アイショップ 南種子 天空のパラダイス店 があります。何とここにはロケットが置いてあるではありませんか。説明を見ると「本機は H-IIA ロケットの打ち上げ能力を増強する個体補助ロケットであり、開発試験に使用したものである。平成 15 年 3 月 贈 宇宙開発事業団」とあります。試験用とは言え、本物ですか。すごい。(@_@) ちなみに、このロケット、全長は約 13 m、直径は約 1 m だそうです。
 
アイショップ 南種子 天空のパラダイス店
アイショップ 南種子 天空のパラダイス店
     
  南種子町を走っていると、道すがら下のようなものをよく見かけます。
これは「地点標」と言うようです。キロポストみたいなものでしょうか。
 
地点標
地点標
     
  ここにあったのは 101 番。
ちなみに上に乗っているのは南種子町のご当地キャラクターの「宙太くん」のようです。地点標には、宙太くん が乗っているものと乗っていないものがあるようですね。
101 番
101 番
     
  種子島ではそこここにこのような畑が見られます。これはサトウキビでしょうか?
 
畑
     
  種子島の西には屋久島があります。しかし屋久島が大きく見える場所は案外少ないのです。
58号走行中にはたぶん この場所 からが最も良く見えるのではないかと思います。
 
屋久島
屋久島
     
  そしてゴール地点です。正面のT字路がゴール。その先は島間(しまま)港です。
その手前には写真のような大きな鉄塔が立っています。右の建物は 新種子島発電所 です。こんな所に発電所があるのですね。
 
ゴール地点手前
ゴール地点手前
     
 

次の写真はゴール地点側から見た様子です。これで58号の種子島区間が終了です。
と言うか、長かった58号がこれですべて終了です。いや〜、58号はたいへんでしたね。(^_^;)

 
ゴール地点から
ゴール地点から
     
 

58号は終了しましたが、時間があるので、いろいろ周ってみることにしました。

一つ目は門倉岬。種子島の最南端の岬です。
右の地図では B 地点。ここはポルトガル人によって鉄砲(火縄銃)がはじめて日本に伝えられた場所として有名です。(A 地点が58号のゴール地点、島間港です。A 地点から B 地点までは58号経由のルートで 17 km ほど。)

門倉岬には駐車場があり、そのすぐ横に下のような鉄砲を構えた人の像と鳥居があります。この先は公園になっていて、展望台と神社(御崎神社)があります。

 
門倉岬
門倉岬
     
  岬より東側の海岸線を見るとこんな感じ。砂浜がずっと続き、その先は種子島宇宙センター等がある岬が見えます。ロケットが打ち上げられるロケット発射場(大崎射場)はさらにその向こうになるでしょうか。また、写真は載せていませんが、西を見ると屋久島も見えます。
 
門倉岬より
門倉岬より
     
  次に種子島宇宙センターの 宇宙科学技術館 へ行ってみます。上の地図の C 地点で、門倉岬からは 12 km くらいです。
 
種子島宇宙センター 宇宙科学技術館
種子島宇宙センター 宇宙科学技術館
     
 

宇宙科学技術館では、ロケットエンジンや衛星など色々な展示が見られます。実物とか、実験に使用したものとかいろいろです。

右の陸域観測技術衛星は展示スペースの中央に、でーん、と置いてありますが、実験に使用した「熱構造モデル」だそうです。

どれもこれもなかなか興味深いです。無料です。

陸域観測技術衛星
陸域観測技術衛星
ロケット達
ロケット達
     
 

宇宙科学技術館のすぐ南に「竹崎展望台」があります。
この展望台は、ロケットの打ち上げ時にマスコミ関係者などが打ち上げを見るために作られたものだそうです。

建物の上にたくさんの展望席が設けてあり、席に座ると正面に大崎射場が良く見えます。さすが専用に作られた展望席です。

ロケット打ち上げ時には打ち上げ場の周囲半径 3 km は立入禁止になるそうです。この大崎射場から竹崎展望台までは直線距離で約 3.7km です。まさに打ち上げを見るにはベストポイントでしょうか。(一般人は入れないようですが。。。)

展望台
展望台
     
 
展望台から
展望台から
     
  大崎射場を拡大して撮影。
赤白の鉄塔が2組見えていますが、右が「第1射点」で H-IIA 打ち上げ用、左が「第2射点」で H-IIB 打ち上げ用だそうです。
左に見えている白い建物は「大型ロケット組立棟」で、ここでロケットが組み立てられ、第1/2射点まで移動して打ち上げられるようです。ちなみにあの赤白の鉄塔は 避雷針 なんだそうです。
 
大崎射場
大崎射場
     
 

種子島宇宙センターは珊瑚礁に囲まれた岬の突端に設置されており、「世界一美しいロケット基地」との別名があるそうです。その名に違わず、打ち上げ場のある大崎射場だけでなく、宇宙科学技術館のある周辺もとても美しいです。

下の写真は正面奥に見えているのが竹崎展望台です。宇宙科学技術館は写真の右にあり、6つ上の写真は真ん中の駐車場の出口付近から撮っています。

 
宇宙科学技術館周囲1
宇宙科学技術館周囲1
     
  少し左を見るとロケットが置いてあります。なんだか日本ではないような景色ですね。(^_^)/
 
宇宙科学技術館周囲2
宇宙科学技術館周囲2
     
 

宇宙科学技術会館を後にして大崎射場(D 地点)に向かいます。

途中、種子島灯台 があります。右の地図では E 地点。
なかなか灯台らしい灯台です。

ここから大崎射場が良く見えます。

 
種子島灯台
種子島灯台
     
  手前の建物とパラボラアンテナは JAXA の施設のようです。そしてその向こうに海を挟んで大崎射場が良く見えます。
この場所は大崎射場を見るにはとても良い場所ですね。しかしここには駐車場が無いのでクルマで行く場合は注意が必要です、
 
種子島灯台から
種子島灯台から
     
  そしてさらに進むと「ロケットの丘」があります。先の地図では F 地点
ここには小さいですがクルマを止めるスペースがあります。そしてここからは、第1/2射点と大型ロケット組立棟の他に、さらに左側に赤白の 80 m 気象塔も良く見えます。正に絶好の記念撮影スポット。
 
ロケットの丘から
ロケットの丘から
     
 

第1射点と第2射点をアップにしてみました。今回は、いつ何の目的で買ったのかまったく覚えていないのですが、手元にケンコーのテレプラス(Pz-AF 2X TELEPLUS MC7)なるものがあったので、付けて使ってみました。レンズは HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW です。

どうなることかと思いましたが、まったくふつうに使えて、下のような写真が撮れました。焦点距離が長くなるので、カメラは三脚に載せてピント合わせはライブビューで行っています。ピントは普通に合い、露出も自動(Av)でOKです。Exif には元のレンズの焦点距離が記録されています。下の写真では 140 mm となっています。(実際の撮影焦点距離は2倍の 280 mm。)

画質は子細に見ると周辺部はやはり少し流れています。Pentax K-1 は APS-C クロップが使えて気軽に 300 mm 相当にできるので、わざわざこのテレコンバーター使うのはちょっと微妙かもしれませんね。。。

 
第1射点と第2射点
第1射点と第2射点
     
 

種子島灯台もロケットの丘も大崎射場から半径 3 km 以内にあるので、打ち上げ時には立ち入り禁止になると思われます。種子島灯台やロケットの丘から打ち上げ見られたらすごいでしょうにね。

さらに先に進むとゲートが閉まっており「関係者以外立入禁止」になってしまいます。

 
関係者以外立入禁止
関係者以外立入禁止
     
  ところがその横から、どうやら浜辺へ降りれるようです。降りてみました。
 
浜辺へ
浜辺へ
     
  そして浜辺から第1射点と第2射点を見たのが下の様子です。
でも浜辺から見ると見上げる形になるので、ロケットの丘等から見た方が景色的には良い感じですね。
 
第1射点と第2射点その2
第1射点と第2射点その2
     
 

大崎射場を後にして次は 増田宇宙通信所 に向います。場所は このあたり で、中種子町にあります。
ここでは、打ち上げた人工衛星と通信し、その運行を監視しています。展示施設もあります。

施設内には左のようなパラボラアンテナがいくつかあります。
パラボラアンテナは使いませんが、最近は衛星に直接レーザーを当ててその反射光を測定する「レーザー測距」も行われ、衛星までの距離をミリ単位で測定できるようになったのだとか。すごいですね。
展示施設内にはこの通信所で監視している衛星を中心に色々な衛星のモデル(模型)が展示してあって楽しいです。右下は「きく8号」のモデルです。衛星の左右に丸く広がったアンテナが異彩を放っています。

 
増田宇宙通信所1
増田宇宙通信所1
増田宇宙通信所2
増田宇宙通信所2
     
 

いろいろ周ったので、この日はこれで終了です。ホテルに戻ります。

そして次の日です。この日は鹿児島まで帰ります。フェリーは、やはり鹿商海運の「はいびすかす」です。西之表港発は 11:00 で、鹿児島には 14:40 着です。少し時間があるので、種子島北端の 喜志鹿崎(きしがざき)灯台 に行ってみることにします。西之表港から喜志鹿崎灯台までは約 16 km です。

次の写真が喜志鹿崎灯台の様子です。四角い灯台ですね。

 
喜志鹿崎灯台
喜志鹿崎灯台
     
  灯台の先は展望台になっていて北側の海が良く見えます。写真右側のコンクリートの塊は砲台跡だそうです。
 
喜志鹿崎展望台
喜志鹿崎展望台
     
  この展望台からは大隅半島が見えます。
下の写真ではちょっと見づらいかもしれませんが、水平線上を左右に延びる大隅半島がわかります。
 
大隅半島
大隅半島
     
 

西之表港まで戻って来ました。

右の写真は港にある鹿商海運の「総合案内所」です。
やはり掘っ立て小屋感が。(^_^;)

チケットは往復で購入してあるのでここでは手続きのみですぐ乗船準備です。

そして帰路は西之表港近くのコンビニ「ルート58」で食べ物(昼飯)を購入してから乗船です。これ、大切です。(^_^;)

総合案内所
総合案内所
     
  帰路は昼間の航海なので、周りの様子が良く見えます。鹿児島湾に侵入する際には左側に開聞岳が見えます。そして鹿児島湾を進むと右側に桜島が見えます。特に開聞岳はなだらかな稜線が美しいですね。
入港する7ツ島発着場は鹿児島市の港では南の方なので、桜島の見え方はこんなもので、これ以上大きくならないうちに入港です。
 
開聞岳
開聞岳
桜島
桜島
     
  間もなく鹿児島に到着です。左は入港前の様子。正面に桜島が見えています。フェリーは頭から岸壁に近づき、Uターンして横付けします。こんな狭いところでUターンするのです。船体の大きさの割に小回り効きますね。
そして例によって車両甲板の写真も撮っておきました。コンテナは満載でしたがあまりクルマ(自家用車)は多くなかったです。
 
入港前
入港前
車両甲板2
車両甲板2
     
  最後にお世話になったフェリー「はいびすかす」です。赤い船体。そして特徴的なのが中央のクレーンですね。
 
はいびすかす
はいびすかす
 

さてこれで本当に58号が終了。\(^_^)/
このあたりでは残す難敵は390号ですね。どうやって攻略したもんだか。。。

  次は、331号です。  

 前の国道(58号パート2)へ
「国道1号から100号まで」へ戻る

トップへ